ベジタリアン(vegetarian)食は健康に対して本当に良いのか?

アンチエイジング

アメリカでどの店に置いてあるベジタリアン食。大人気です。

そのベジタリアン食が本当に健康に良いのかを考察してみます。

 

定義

ベジタリアン(vegetarian) とは 肉や魚などの動物性食品をとらず、野菜・芋類・豆類など植物性食品を中心にとる人のこと言う。
ビーガン(Vegan)肉類に加え卵・乳製品なども一切食べない人のことと定義される。

 

野菜や果物が健康への影響

果物・野菜の摂取量が多いほど長寿に
83万3,234人を対象としたメタ解析(フォローアップ期間は4.6から26年)によると、果物や野菜の摂取量が多いほど全死因死亡リスクが低下し、とくに心血管死が有意に下がったことが分かった。
具体的には果物と野菜の摂取が1日に1食分増えるごとに全死因死亡リスクが平均5%ずつ低下した(HR:0.95、95%:0.92~0.98、p=0.001)1。

 

心血管疾患との関係
469,551人を対象としたメタ解析(エビデンスのレベルが1番高いと考えれている研究方法)では多く果物や野菜を摂取した群では心血管系疾患による死亡率が減ったことが確認されている。
(1日に1サービングの果物や野菜を多く食べる毎に4%リスクが下がる。)2

 

毎日の野菜・果物摂取が認知症予防
香港の高齢者保健センターに通院している中国人高齢者1万7,700例のベースラインの食生活を調査し、認知機能状態を調べた研究によると、果物を2サービング/日以上摂取した場合は6年後の認知症の発症リスクが約14%さがる。(HR0.86, 95%CI:0.74~0.99、p<0.05)。また、野菜を3サービング/日以上かつ果物を2サービング/日以上摂取した場合はリスクが25%も低下したのだ(HR0.75、95%CI:0.60~0.95、p=0.02)。この結果は年齢、性別、教育、主要慢性疾患、身体活動、喫煙で調整している3。

 

血圧との関係
血圧の関係The Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH) studyによると、野菜や果物が多い食事は高血圧の人の血圧をさげる効果がある。(平気11/6mmHg程度さがる。)4-5

果物と野菜によって幸福度までが変わる?!
『American Journal of Public Health』誌に掲載された研究結果から、野菜と果物を沢山食べている人ほど、人生に対する幸福度や満足度が上昇することが明らかになったという衝撃な結果も認めれている。無作為に抽出されたオーストラリアの成人約12,000人を追跡調査した結果、果物と野菜の摂取量が増えれば増えるほど、個人の状態や収入に関係なく、健康度は勿論、人生に対する幸福度や満足度が増すことが分かかった。理由として、野菜や果物に入っている「抗酸化物質」の摂取量が増えるためではないかと考えられている。
(実際にうつ病の原因は脳内の炎症が原因という説がある。また、抗炎症物質の摂取が高い人はうつ病になりにくいという研究もあることから、ある程度納得できる内容である。)6

 

ただし、野菜であればなんでもよいというわけではない。
例えば、ジャガイモの食べ過ぎは健康に対してよくない可能性がある。約7万5000人を対象とした研究では、摂取量が1サービング/月未満の集団と比較した4サービング/週以上の人はの高血圧発症リスクのリスクは、焼き/ゆで/すりつぶしジャガイモがで約10%の上昇(HR1.11、95%CI:0.96~1.28)、フライドポテトでは約17%の上昇(HR1.17、95%CI:1.07~1.27)が認めれた。これは野菜自体のカリウムなど血圧を下げる作用より、糖質やジャガイモと一緒に食べる塩分などの作用が原因と考えれている。7

 

Vegetarianと各疾患について
Vegetarian食は様々な疾患に対してよりとの報告がある。約77,000 人を対象とした研究ではVegetarian食の人はそうでない人と比較し、大腸癌の発症リスクが22%も低下した。(Vegetarian食+魚では43%も低下した。)理由としたはVegetarian食では伝統的なアメリカ食と比較し、インスリンやIGF-1の分泌が低いことが考えれている。

 

 

まとめ

決して、Vegetarian食を強制しているわけではない。ただ、我々の野菜や果物の摂取はやはり少ないと思う。身近な外食でもボストンでは野菜を多く摂取するチャンスがある。少しずつ増やしていこう。

天野方一(あまのほういち)

 

参考文献
1、Fruit and vegetable consumption and mortality from all causes, cardiovascular disease, and cancer: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies.  BMJ  2014 Jul 29;349;g4490.
2、Fruit and vegetable consumption and mortality from all causes, cardiovascular disease, and cancer: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. BMJ. 2014 Jul 29;349:g4490.
3、Lower risk of incident dementia among Chinese older adults having three servings of vegetables and two servings of fruits a day. Age and ageing. 2017 Feb 10;1-6.
4、A clinical trial of the effects of dietary patterns on blood pressure. New England Journal of Medicine. 1997 Apr 17;336(16):1117-24.
5、Effects of protein, monounsaturated fat, and carbohydrate intake on blood pressure and serum lipids: results of the OmniHeart randomized trial. JAMA. 2005 Nov 16;294(19):2455-64.
6、Evolution of Well-Being and Happiness After Increases in Consumption of Fruit and Vegetables.Am J Public Health. 2016 Aug;106(8):1504-10
7、Potato intake and incidence of hypertension: results from three prospective US cohort studies. BMJ . 2016;353;i2351.
8、egetarian Diet Linked to Lower Risk of Colorectal Cancers. JAMA Intern Med. 2015;175(5):767-776.

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。