肥満の原因が「肥満」?!

ヘルスケア

肥満そのものが不健康な生活習慣の原因となる!

 

前回は肥満による健康障害について書きましたが、肥満自体が我々の不健康な生活習慣を引き起こしている、という面白い話をします。

我々の食欲をコントロールしているホルモンの1つに、レプチンがあります。レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、基本的に食事後に分泌されます。レプチンが分泌されると、脳の視床下部という部分にある満腹中枢が刺激され、満腹感を感じるようになり、食欲が抑制されます。
しかし、慢性的な高脂肪食の摂取は脳にある視床下部に炎症を引き起こし、レプチンの効き目を悪くさせます(レプチン抵抗性の上昇)。レプチンがきかないために、食欲が高進している状態が継続し、満腹感を感じにくくなり、最終的には食べ物を多く摂取してしまうことが肥満につながります。
また、ネズミの実験によるものですが、肥満に伴うレプチン抵抗性の上昇(レプチンが効きにくくなること)に伴い、自発的な運動を行いたいという気持ちが下がってしまうことも分かっています。私たちの体は、レプチンの効き目が悪くなると、より効果を得ようとしてレプチンの分泌を増やし、結果として高レプチン血症になってしまいます。高レプチン血症が原因で脳内のホルモンバランスが崩れ、運動による脳内報酬が低下(運動しても気持ちよいと思わない)し、自発的な運動が減る、というわけです。

つまり肥満になると、肥満自体/または肥満になるような生活習慣が原因でさらに食欲が上がったり、運動したいという気持ちが減ったりして、悪循環を生じてしまいます。

天野方一(あまのほういち)

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